真に「アジャイル」なローカリゼーションの5つの要件
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真に「アジャイル」なローカリゼーションの5つの要件

真に「アジャイル」なローカリゼーションの5つの要件

Agile Localization

最近耳にする機会も多い「アジャイル(Agile)」という言葉。誰もが気軽に、しかし実はよくわからないまま使ってしまいがちな典型的なバスワードです。実のところ、私たちのビジネスにどのように影響するものなのでしょう?

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広義では「柔軟性」、「適応力」、「スピード」、「効率」といったニュアンスの「アジャイル」。ソフトウェア開発においては、週単位の短いサイクル内でアップデートを頻繁に、しかも複数言語でリリースするような俊敏な対応や体制を形容するために使われます。従来のウォーターフォール型開発では、このようなリリースサイクルをキープするなど夢のまた夢でしょう。

アジャイル型開発が主流になっていくなか、ローカリゼーション業界には「アジャイルであること」、つまり、スピードと対応力が求められます。アジャイル型ローカリゼーションとはどのようなものか。今回はその要件を5つ挙げてみました。

1. ローカリゼーション、開発、マーケティングの連携

クライアント側の製品グループとマーケティング部門、ベンダー側のローカリゼーションチーム間に構築されたパートナーシップは、業務成果にも如実に表れるもの。アジャイルな製品/サービスを提供するチームはローカリゼーションを提供するベンダーもチームの一員として扱い、密接に連携しています。情報も状況も共有せずに仕事をただ投げるだけでは、塀を隔てた相手とキャッチボールをするようで非効率です

プロジェクト関連のミーティングにはローカリゼーション担当のプロジェクトマネージャーも招き、プロジェクトの目標や重要な指標、問題点、課題などを共有しましょう。企画段階からローカリゼーションチームが関与することで、製品チームもローカライズ作業を理解、把握し、プロジェクトをスムーズに進めることができます。

2. ローカリゼーションチームによる開発プロセスのサポート

開発チームがローカライズについて考えるのは開発作業が一段落してからのことかもしれません。気づけば時すでに遅しというパターンもありがちなこと。製品チームにとってローカリゼーションは専門外のため、特定のタスクや機能がローカリゼーションにもたらす影響を事前に検討するのも難しいことでしょう。結果として、ローカライズに関する問題が見つかったときには手遅れで、修正のため製品のリリース予定を変更せざるを得なくなります。

ローカリゼーションエンジニアが初期段階からチームに加わっていれば、製品や機能の設計にも参画し、潜在的な問題を早い段階で指摘、対処可能です。バグも発生以前に回避できれば、時間もコストも大幅に節約できることになります。

3. 作業量低減とリサイクル

費用対効果を高めるための方法論も、すでに確立されつつあります。

  • 翻訳メモリを使って過去翻訳をリサイクルし、コンテンツを最大限に活用。
  • レガシーの原文コンテンツもオーサリングツールで手軽に検索、編集して資産として利用。
  • ローカリゼーション対象の精査と削減。すべてのコンテンツのローカライズが必ずしも必要とは限りません。ロシアに向けてコンテンツをローカライズしたものの、市場のユーザーグループは英語を好んでおり、費やした時間と経費が無駄になったというAdobeの例もあります。ローカライズの前には必ず徹底的なマーケットリサーチを実施しましょう。

4. オートメーション

アジャイルなプログラムではオートメーションが不可欠ですが、手作業のプロセスが残っていればそれが足かせとなり、せっかくの効率を押し下げてしまうことにもなりかねません。翻訳依頼を電子メールで送ったり、ローカライズ対象の文字列をコピー&ペーストで準備するような非効率な工程をどのように改善するかが重要なポイント。翻訳の発注はすべて自動化して、一本化した中央システムから管理できるようにするのがベストです。

このシステムがさらに多様なソースレポジトリに直接接続可能で、ワークフロー自体も提供し、ファイル準備や見積り作成、様々なプロジェクトやコンテンツの既存翻訳の最大活用、機械翻訳エンジンへのリンクまで対応できれば、最高ですね。

5. 業務の一極化

近年、ローカリゼーションに求められるサービスの内容とその提供先は多岐にわたり、ローカリゼーションベンダーは必要な機能をまとめて提供する一極化したサービスステーションの様相を呈しつつあります。企業規模のローカリゼーションプログラムでは、それぞれの業務が統一された手法で処理される場合に効率が最大化されるため、人的リソース、ツール、プロセスを一極化することには大きな意義があります。無駄な作業や繰り返しは排除され、一貫性と効率が向上し、俊敏で対応力に優れたローカリゼーションプログラムが実現します。

利点は他にもあります。

  • ローカリゼーションチームをすべてのプロジェクトからのリクエストに対応する単一窓口として機能させることで、自社の組織をシンプル/スリム化。
  • データの可視性が向上。中央部門で全プロジェクトを統括して管理し、品質のレポーティング、コストのトラッキング、納期管理もプログラムレベルで把握可能です。
  • コスト面での交渉が容易に。ローカライズサービスを提供するベンダーからの買い上げを組織全体で取りまとめることで、小口のプロジェクトを行き当たりばったりに発注するより大幅に有利な購買契約が期待できます。

上記に紹介した5つの要件を取り入れることで、アジャイルなプロジェクト運営を迅速に実現することができます。ローカリゼーションベンダーと密接に連携することで、アジャイルへの移行の妨げとなる問題を特定し、対処しましょう。複数言語への製品の同時展開が必要十分条件となったこの時代に、ローカリゼーション業務の遅滞は死活問題となりかねません。企業の成長と収益拡大を考えるとき、アジャイル移行はもはや必須の課題だといえるでしょう。 (アジャイルへの移行に失敗したケースについてもご紹介しています。)

こちらの記事もご参照ください。ローカライズにおけるアジャイルの重要性とその導入方法をMoraviaが考察しています。

プロジェクト/プログラムマネージャーの皆さま、アジャイルなプログラムのその他の要件について、ぜひご意見をお寄せください。企業の皆さまからの、アジャイル化に向けた独自の取り組みのご紹介も歓迎いたします。

 

[リー・デンズマー による原文へ] [編集: MLS] [o/o-i]

 

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