一貫したブランドイメージを守る5つの方法
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一貫したブランドイメージを守る5つの方法

一貫したブランドイメージを守る5つの方法

一貫したブランドイメージを守る5つの方法

一貫したブランドイメージの確立は、口で言うほど簡単ではありません。カタログやリーフレットとWebサイトで用語や説明がバラバラなど、トーンやスタイルに乱れのあるコンテンツもよく目にします。ブランドイメージやコンセプトが作業者に理解されなかったばかりに適切なスタイルや用語が適用されず、せっかくローカライズしたコンテンツも競合との差別化に寄与できなくなってしまうかもしれません。

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過去に翻訳して内容をチェックしたコンテンツがあっても、効果的に再利用しなければ宝の持ち腐れです。どこか、何か間違っている。そんなとき製品やサービスを新市場に投入しても思ったような成果は得られません。お客様からの問い合わせでサポート電話は鳴りっぱなし、現地のパートナーは製品の瑕疵を見つけては苛立ちを募らせる、そんな状況が目に見えるようです。

ブランドのイメージは、製品やサービスと同じくらい大切なもの。媒体、コンテンツを問わず、統一感のあるブランドイメージとブランドメッセージを打ち出すための5つの方法をご紹介しましょう。

1. ブランドイメージを定義付けるガイドを作成する

「ブランド」は、製品やサービスの外観、その息吹やフィーリングなど、形にならないすべてをまとめ、方向性を示す指針のようなものです。製品やサービスの創造主である企業に社会的な人格を与えるイメージと言ってもいいかもしれません。ブランドイメージは、製品、サービスが提供されるすべての国や地域で、等質に展開される必要があります。

ローカライズやコンテンツ作成を担当する翻訳者やコピーライターがブランドイメージに即した適切な用語やスタイルを選べるように、スタイルガイドを作成します。できれば20ページ以下で、ローカライズ対象の各言語で用意します。それぞれにまとめるとよいでしょう。詳細については、以下の英文ブログもぜひご参照ください。(本ブログの参照記事は現在は英語のみですが、ご要望が多くあれば日本語版をリリースさせていただきます。)

6 Ways to Get the Most Out of Your Style Guides

スタイルガイドでは、対象となる国や地域に特化した注意事項や、ブランドイメージを定義します。例を挙げてみましょう。

  • スタイルとトーン: 金融業界向けにかっちり保守的なイメージ、若者向けにイケててとんがった感を重視など、会社として打ち出すイメージを明確に示しましょう。選択すべき言葉は方向性で大きく異なります。サンプルも用意し、推奨するスタイルや用語選択を翻訳者の想像に委ねることのないようにします。
  • ターゲットの属性: 顧客ターゲットは若者、ミドル世代、それともシニア?男性または女性?性別や年齢によって使うべき言葉が変わる言語は多数あります。
  • 文章の構成や表記方法: 日本語ではひらがな、カタカナ、漢字のどれをどう使って表記するのか、英語ではアメリカ式に「Color」と書くのか、イギリス式に「Colour」と書くのか、などを指定します。体言止めなどのを使ってもよいか、どんなときに使うかなども定義するといいでしょう。
  • 頻出語やキーフレーズ: バズワーズなど、ブランド表現に欠かせない用語を選び、積極的な利用を促します。また、業界で定訳化していても時代遅れ、陳腐などの理由で使って欲しくない用語を指定するのも重要です。当社では「resonate(共鳴する)」「value-added(価値のある)」「synergy(シナジー効果)」などは使わないよう指定しています。製品やサービスに特有の用語は、必ず用語集にまとめましょう。

さらに、次のような細かい指定もスタイルガイドにまとめておくと役立つことがあります。ご検討ください。

  • 日付や時間、数字、電話番号、通貨記号、パーセンテージなどの表記方法: 例えば、日付を平成29年4月25日と書くのか、2017/4/25と書くのか決めておきましょう。
  • 略語の扱い:単語の頭文字で作る略語は、他言語では本来の意味を持ち得ません。日本語で使われる「KY」、英語の「ASAP (as soon as possible: できるだけ早く)」など、それぞれの言語以外では理解されない略語をどのように処理するか、作業担当者に明確に伝えましょう。
  • ロゴの使い方と色の指定: 中国では文字色に緑を使ってはいけないなんて、誰でも知っているわけではありませんよね?

一貫性のある文章スタイルとトーンがビデオ、Webコンテンツ、ソーシャルメディアなどのマーケティング資料で重要なことはよく知られていますが、同一のスタイル、トーンを技術資料で採用することにも、大きな意義があります。

こうした事項を自動的にチェックするツールも数多くあります。こちらについては後述します。

スタイルガイドによるメリットの詳細については、こちらのブログ記事もご覧ください。

2. 用語を管理する

似たような意味の言葉をバラバラに使って読む人を混乱させたくはないし、どんな言語でも意図するところは誤解なく伝えたい。だからこそ用語は上手に管理したいものです。適切な用語選びは、誤解を避け、間違いを防ぎ、問い合わせの数を劇的に減らすための大きな一歩であり、使う言葉を絞ることで商品名やブランド名の浸透性を高め、ブランド認知にも貢献します。製品が名前で検索してもらえるようになれば、検索数やWebサイトへのトラフィックが激増し、SEO的にも嬉しい話です。

このために重要なのが用語一元管理のための用語集作成で、製品特有の用語と、その各国語版の翻訳をまとめます。「Webアプリケーション」や「ユーザーインターフェイス」のように広く一般に知られるようになった業界標準の用語まで含める必要はなく、会社や製品のコンセプトに直接根付いた言葉に絞って記載するようにしましょう。

専門知識を持つ翻訳者が用語を翻訳し、現地の事情に精通したスタッフが用語を確定します。ソース、ターゲットの両方で、適切性が十分に確認された用語のみが用語集に登録され、その後は一貫して使用されます。

原文と訳文から用語候補を抽出する、用語データベースを管理する、新しく翻訳する時に自動で用語を当てはめていくなど、用語集を管理するための様々な作業を快適かつ確実に行うためのツールも豊富に存在します。こうした機能に関する詳細は、こちらのブログ記事をご参照ください。

3. 自動化する

スタイルガイドの全てを記憶し、過去の訳文から使える部分を探して当てはめ、決められた時間内にすべてのミスを修正する。大規模なローカリゼーションプロセスの中、こんな作業を完璧にこなせる人材など、どこを探しても存在するはずがありません。

用語や翻訳のばらつき、未翻訳箇所の有無、原文が異なるのに訳文が同じ(あるいはその逆のパターン)、特定のルールに反していないかどうか、文法や句読点のミスなどのチェックは自動化が常識になりつつあります。

ランゲージサービスプロバイダーに自社のニーズに応じたチェックプロセスの自動化を依頼することもできます。ほとんどの会社では、翻訳支援ツールに応じたプラグインを活用し、翻訳と並行して自動化した品質管理を実施しています。

4. 言語レビューをする

人手ですべてをチェックすることは無理、と前項で述べたばかりではありますが、人にしかチェックできない部分もあります。ツールは特定のスタイルや用語が使われているかどうか、つまり成否のはっきりした検査には威力を発揮します。判明、望ましいトーンやブランドイメージに一致した「雰囲気」を備えているかどうかなど、曖昧さを含む判断ができないのです。

これこそ人のレビューの出番。コストと時間を考慮すれば、いつでもどこでも翻訳物のすべてをレビュー対象にするのは得策ではないでしょう。お勧めは納品の10%など、一定割合で品質をチェックするサンプリングで、問題が発生しやすい言語が特定できている場合には、レビュー割合を引き上げることも検討しましょう。レビューで検出されたエラーの傾向を一次翻訳者にフィードバックして後続の納品の品質向上を促します。翻訳メモリや用語集、自動化ツールを正しく使えていないことが原因で翻訳品質に問題が発生することもあるので、こういったプロセスの確認も重要です。

言語面でのフィードバックをどのように全体のプロセスに組み込むかは、こちらのブログ記事をご参照ください。

5. 確定したコンテンツを再利用する

コンテンツ翻訳のレビューと確定には多くの労力を要します。せっかくの投資を、再利用しない手はありません。翻訳メモリ(TM)を使用して、コンテンツ資産を積極的に活用しましょう。

翻訳作業に伴って生成される翻訳メモリは、原文(ソース)と訳文(ターゲット)をペアで格納したデータベースです。新しいコンテンツを翻訳する際に、新規ソースをデータベースに格納されているソースと照合することで、既存の確定済み訳文を取り出し、利用できます。

翻訳メモリを使う最大のメリットはコスト削減にあります。マーケティング文書ではおよそ40%相当で既存訳文を利用できるとされ、技術資料にいたっては、機能のマイナーチェンジに対応するための文書更新では最大90%もの再利用が見込まれます。削減できるコスト幅を想像してみてください。

翻訳メモリとして使われているツールは多種多様です。ランゲージサービスプロバイダーと相談し、最適なツールを選択するといいでしょう。

ただし、翻訳メモリは常にきれいな状態にしておかなければなりません。ぜひこちらのブログ記事もご参照ください。

優れた対費用効果

ここでご紹介した5つの方法は、単一言語における品質の向上だけでなく、複数言語で統一されたブランドイメージを確立し、その認知度を高めるためにお役立ていただけます。

また、ローカリゼーションコストの削減や作業期間の短縮といった効果も期待できます。言語資産を再利用することでゼロからの作業は極小化され、検索/調査に必要な時間も大幅に削減されます。翻訳者のストレスも抑制でき、作業のスピードアップにつながります。

ガイドを作成する、用語集を作る、翻訳メモリを利用するなど、初動時に投資を要するとはいえ、その効果は絶大と思う次第です。皆さまのご意見をお待ちしております。

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 [編集メモ:この記事は、2017年3月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。リー・デンズマー による元の記事はこちらからご覧いただけます。] [編集: MLS] [o/o-i]

 

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