複数のベンダーと上手につきあう4つのヒント
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複数のベンダーと上手につきあう4つのヒント

複数のベンダーと上手につきあう4つのヒント

4 Tactics to Manage Multiple LSPs

世界の市場に打って出ようとするとき、多様な言語に対応する必要があり、発信するコンテンツもかなりの量になります。より多くの製品を、より早く、より多くの市場に投入するというプレッシャーの下、ローカリゼーションを複数のランゲージサービスプロバイダー(LSP)に依頼している企業も多いはずです。

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いくつものLSPに発注することで、かえってわずらわしいことになってはいませんか?たとえば、各社の作業プロセスや環境、使用ツールは、必ずしも同じとは限りません。中にはまったくツールを使わないところもあります。そして、会社間で翻訳メモリー(TM)の共有が行われることは、まずありません。納品物の整合性は期待できませんし、価格も同じではありません。分散することで、ボリュームディスカウントのメリットも得られません。

ご安心ください。それでも複数のLSPと、うまくやっていく方法はあります。ここでは、4つのヒントをご紹介しましょう。

1.  絞り込む

弊社のお客様企業の中には、100以上の外注先を抱えているところもありました。各部署がそれぞれのニーズや判断で増やしていった結果です。担当者が気に入ったベンダーに繰り返し発注するのはよいとしても、そうではない会社も整理されることなくそのままリストに残っているという状態。これでは、合理的に管理されているとは言えません

さまざまなベンダーとのお付き合いの中で、何を求めるのかははっきり見えてきているはずです。対応可能なボリューム、扱える言語数や専門分野、使える翻訳ツールやプロジェクト管理の手法など、発注に際して求められる要件を一覧にまとめてみましょう。これと照らし合わせて査定していくと、どの会社が優れているかを簡単に判別できます。こうして、条件を満たす上位2、3社を主要ベンダーとします。

おつきあいする会社を絞り込むことで、交渉や管理する契約書の数も減り、請求処理の手間も省けます。プロジェクトの状況報告を受けたりトレーニングを行ったりなどのやり取りが減ることで、担当者の負担も軽くなります。一方、ベンダーにとっては受注量が増えることになり、ボリュームディスカウント交渉の余地もうまれます。

それぞれの部署が現在のベンダーを手放すことに難色を示したなら、そこには特定の言語や分野に強みがあるということでしょう。大事にお付き合いを続けるもよし、主要ベンダーを通して仕事を依頼するもよしです。

2.  分け方を考える

ある製品を25の言語にローカライズするとしましょう。言語や地域別に発注先を振り分けたいと考えるかもしれませんが、ちょっと待ってください。翻訳会社にはそれぞれ得意な言語があるため、この方法は一見妥当に思えます。しかしこれでは、電話やミーティング、レポートなどのやり取りが無駄に増え、1つのプロジェクトに何通もの請求書が舞い込み、あっという間に制御不能に陥ります。

言語ではなく、製品ラインごとに発注を振り分けてみましょう。その効果は、プロジェクト管理の負荷を軽くするだけではありません。ファイル処理などは一度の作業ですべての言語に適用できるので、作業負荷が減りコスト削減につながります。製品ごとにベンダーを分けることで、1つの指示書やプロジェクト関連資料がすべての言語に行き渡り、整合性を保てます。連絡は1回で済み、複数言語にまたがる変更も一括で処理できます。

3.  一元化する

プロジェクトを通じて、使用する翻訳ツールや作業環境、作業プロセスを一元的に管理するのが理想です。ベンダーごとに異なる翻訳メモリーや用語管理ツールを使用し、互換性がないために困ったということは、よくあります。ファイル形式やセグメンテーション(翻訳単位を文単位にするか段落単位にするか)が異なれば、最終的な品質にも影響します。

また、各社のワークフローが異なれば、かかるコストや納期にもバラつきが生じます。必要な工程を飛ばしてしまうベンダーも出てくるかもしれません。それぞれに任せっきりにしてていては、何が起こるかわかりません。

加えて、品質管理のガイドラインとプロセスを一元化することも大切です。品質管理を各ベンダーに委ねることはリスクが大きく、言語間や製品内での整合性が失われかねません。また、品質管理を一元化することで、期待する水準に満たないベンダーを判別することもできるようになります。

十分な経験と実績があるベンダーを中心に管理するという方法もあります。ツールやプロセスの構築にとどまらず、他のベンダーへのトレーニングも任せることができます。

4.  KPIを設定する

何を求めているのかを明らかに示さなければ、複数のベンダーから同等の成果物が上がってくることなど期待できません。共通のKPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。プロジェクト関係者で話し合い、品質要件や希望納期、プロジェクト管理に期待すること、求める生産性、予算の範囲などを定義し、これにもとづいて各社のパフォーマンスを評価しましょう。

実績のあるLSPなら、さまざまな分野でのKPI設定に手を貸してくれることでしょう。主要ベンダーの中には、品質管理システムにKPIを組み込んで運用しているところがあるかもしれません。ゼロから作るのではなく、そうした会社と連携するのもひとつの方法です。

 グローバルにビジネスを展開する企業が、多くの言語で情報を提供するために複数のLSPに発注するのはよくあることです。振り分けることでリスク分散が可能なこともありますので、1社に絞り込むことが必ずしも最善とは限りません。よい品質でより早く、より安く、より多くを実現するために、シンプルな仕組みを作ることができれば、混乱を避け上手にプロジェクトを回せるようになるでしょう。


 [編集メモ:この記事は、2017年2月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。リー・デンズマー による元の記事はこちらからご覧いただけます。] [編集: MLS] [o/o-i]

 

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