翻訳者が生き抜くための4つの道
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翻訳者が生き抜くための4つの道

翻訳者が生き抜くための4つの道

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長い間、翻訳ビジネスの要であり続けてきた翻訳者。2つ以上の言語に精通し、高品質な翻訳を提供することを生業としています。こだわりが強く、言語おたくを自称する人も少なくないようです。「2つ以上の言語」としたのは、翻訳の元となるソース言語と翻訳先のターゲット言語があるためで、多くの場合、母語であるソース言語を公用語とする国や地域に住んでいます。時代とともに変化する言葉や文化に触れられるというメリットがあるためです。これまで、そんな翻訳者に求められていたのは、ソーステキストを特定のターゲット言語へと正確に訳すことでした。しかし・・・

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モバイルアプリやペイパークリック型広告などの高度にブランディングされたコンテンツが登場し、カスタマーレビューなどのユーザー生成コンテンツのボリュームが急増する中、翻訳者は新たなスタートラインに立たされています。従来の役割にとらわれず、これからのグローバリゼーションの課題に応えていけるよう進化しなければ、この先を生き残ることは難しくなっていくでしょう。

翻訳者に限ったことではありません。ローカリゼーションのプロジェクトマネージャーも、コンテンツに適したリソースをアサインするうえで、求められているスキルを十分に理解している必要があります。グローバルコンテンツのニーズの変化に伴い、4つの専門職に注目が集まっています。言語サービス業界に携わる人にとっては、対応可能分野を増やし、新たなスキルを身に付けるチャンスです。

トランスクリエーター

トランスクリエーション(トランスレーション+クリエーション)は、高度な専門知識を有する言語リソースがソースコンテンツをクリエイティブに書き換え、ターゲットロケール向けに最適化するプロセス。「書き換え」、つまり、コンテンツを再構成するというのがポイントです。ソースコンテンツが元の国の市場で伝えたい思いを、そのままターゲット市場でも伝えられるようにするのが目的です。

トランスクリエーションは主に、タグライン、商品名、スローガン、広告コピーなど、高度にブランディングされたコンテンツに向いています。

トランスクリエーションは、クリエイティブなスキルに長けた翻訳者が行います。マーケティングコンテンツの翻訳を得意とする経験豊富なプロフェッショナルで、広告分野の経験があればさらにプラスになります。

多くのトランスクリエーターは翻訳者としてキャリアをスタートし、マーケティングコンテンツの経験を積みながら、「書き換え」のプロセスを習得していきます。表現力に自信があるなら、トランスクリエーターを目指すとよいでしょう。

コンテンツクリエーター、コピーライター

ターゲット市場向けに、ゼロからコンテンツをつくるのがコピーライター。「ゼロから」という意味で、トランスクリエーション以上にクリエイティブなプロセスです。広告代理店に勤務するコピーライティングのスキルを備えたリソースが代表格ですが、クリエイティブなコンテンツの経験を積んだ翻訳者がコピーライティングを行うようになることも、珍しくありません。翻訳者と同じように、コンテンツクリエーターやコピーライターも、最新トレンドに常にアンテナを張れるよう、ターゲット市場の国や地域に居住していることが不可欠です。

文化コンサルタント

文化コンサルタントもまた、ターゲット市場の国や地域に住み、そこの購買者の行動や動機についてクライアントに助言します。リサーチャーであり、その国の文化や人の代弁者でもあります。現地の有料メディア、検索マーケティング、ソーシャルメディア、インフルエンサーマーティング、コンバージョン率最適化(CRO)、ユーザーエクスペリエンス(UX)などの専門知識を持っていることもあります。

専門分野が何であれ、ターゲット市場に「いる」ことを活かして、グローバルデジタルキャンペーンを計画、管理したり、フォーカスグループインタビューを実施してユーザーの好みを見極めたり、デモグラフィック調査を通して、企業のターゲット層特定を支援したりできます。ターゲット市場の国や地域に住むバイリンガルの翻訳者は、すでに、文化コンサルタントに求められるスキルを有しているか、習得の下地ができていると言えるでしょう。

ポストエディター

ローカリゼーションプログラムに機械翻訳(MT)を導入する企業も珍しくはなくなってきています。MTにはポストエディットの工程を組み込むことが大半です。つまり、MTの出力を人の手で編集し、顧客と言語サービスプロバイダーとの間で合意した品質レベルに引き上げます。

ポストエディットには、翻訳とは異なるスキルが求められます。ポストエディターは、ソースを正しくターゲットに変換するのではなく、MTエンジンの仕組みや典型的なエラーを理解したうえで、求められる品質レベルを満たすよう問題を修正するのです。翻訳と言語レビューの基本的なスキルも持つMTスペシャリスト、という説明が適切かもしれません。クリティカルシンキングが得意な翻訳者であれば、ポストエディティングのスキルを磨いてみる価値はあります。

参考情報:エキスパートが語るMTPEの真実(英語)

グローバルビジネスにおけるニーズの高まりによって、翻訳者には、独自のスキルや文化への深い理解を活かして活躍の場を得るチャンスが広がっています。翻訳だけでこの先やっていけるのか、未来のことは誰にもわかりません。わかっているのは、こうした新たな言語サービスの需要が増えてきているということのみ。今回紹介した技能を有する人材は、ますます求められることになるでしょう。


[編集メモ:この記事は、2017年9月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。リー・デンズマー による元の記事はこちらからご覧いただけます。]  [編集: MLS] [o/i]

 

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