スマートフォンに垣間見る言語非依存の未来
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スマートフォンに垣間見る言語非依存の未来

スマートフォンに垣間見る言語非依存の未来

How the Smartphone Predicts Our Language-Independent Future

これから言語関連サービス業界はどう進んでいくのでしょう?未来を予測することはできるのでしょうか?このブログでは、スマートフォンによって示される未来を言語の面から考えてみたいと思います。

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当社のテクノロジーマネージャーJim Comptonは、ウェブセミナー「Past is Prologue: Language Tech Predictions for the Next 20 Years(過去は序章に過ぎない。今後20年間で言語関連技術はどう発展するか)」(英語)で、技術の発展と、その中でローカリゼーション業界が担う役割について語りました。

機械翻訳と人工知能が発達すると、この業界はどのように変わり、ビジネスにはどのような影響があるでしょうか。

新しい技術が開発され、それが別の技術と組み合わされると、大きな変化をもたらす可能性が生まれます。そしてその可能性は、将来また何か新しいものと組み合わさった時に、さらに大きな可能性をもたらします。

スマートフォンがその良い例です。一般的なスマートフォンは、タッチパネルやGPS、データストレージ、Wi-Fiなど、多くの機能の集合体でしかありません。しかし、このスマートフォンにデジタル化した地図を組み込むとリアルタイムのナビゲーションが可能になり、クラウドソーシングのビジネスモデルに組み込むとオンデマンドの配車サービスが実現します。

こうした「可能性の組み合わせ」によってローカリゼーション業界の未来も形作られていくのではないでしょうか。

人とITの協業

1990年代半ばから終わりにかけて、マーケティングの世界ではパーソナライズが効果を発揮するにようになりました。いわゆるローカリゼーション(現地化)の発展版です。企業は、どこかに顧客を探そうとするのではなく、個々の顧客の周りにビジネスを構築するようになったのです。

パーソナライズは、言語の面でも進みました。たとえば、Google翻訳が登場したのはほんの10年前ですが、今やGoogleの翻訳エンジンは1秒あたり100万語を処理しています。レビューやコメントなどユーザー自らが書き込む形のコンテンツはほぼリアルタイムで機械翻訳され、国や言語の壁を越えて共有されるようになりました。人とITが手を結ぶことによって、私たちはかつてない方法で買い物したり、旅行したり、仕事をしたり、遊んだりできるようになったのです。機械翻訳されるリアルなコンテンツが増えることで、機械翻訳の影響力も強まっていくという好循環も生まれます。

対応できる言語の増加

翻訳の世界にITを取り入れていくことは、翻訳の質を高めるのに役立つだけではありません。機械翻訳が発達することでより多くの言語を扱えるようになり、翻訳する言語の組み合わせの多様化にも対応できるようになるのです。

近年、ロングテール言語を対象とした翻訳エンジンが次々と開発されています。このような技術革新がなければ使われなくなってしまったかもしれない言語ですが、言語情報がデジタル化されたことで、その言語を使用する人たちがグローバル経済に参加できるようになるのです。

機械翻訳は、これまでにあまり使われなかった言語の組み合わせにも今後ますます使われるようになるでしょう。たとえばポーランド語を日本語に翻訳する場合などです。翻訳元になる言語はもはや英語でも、ほかの主要言語でもありません。たとえば、アイディアをスワヒリ語に翻訳するのではなく、スワヒリ語で考えたアイディアを機械翻訳して世界中で共有するのです。IT技術によって言語の民主化と、世界レベルでの情報共有が可能になると言えるでしょう。

機械翻訳にはまだまだ発展の余地があります。翻訳エンジンの改良や、質の高い文書の読み込み、翻訳者による修正を重ねていくことで、より複雑でニュアンスに富んだ翻訳ができるようになり、より多くの言語の組み合わせで利用できるようになるでしょう。

予測される未来

ここに、人工知能が搭載されたホームエンターテイメントシステムがあるとしましょう。帰宅して夕食を終え、テレビでも見てくつろごうかというタイミングが午後8時ごろだとすると、その時間に自動的にお気に入りの番組を流してくれます。もしかして一緒にコーヒーメーカーのスイッチも入れてくれるかも。

マーケティングキャンペーンでも、いつか同じようなことができるかもしれません。人工知能と言語技術の融合で、顧客がどこの国や地域にいても、個々の顧客に向けて極限までパーソナライズされてローカライズされたキャンペーンを自動で生成できる、そんなマーケティングエンジンの登場に期待が膨らみます。

たとえば、Facebookの投稿からデータを収集して「ヒートテックが盛り上がっている」というトレンドが提示されたら、マーケティングキャンペーンはどんな形になるでしょう?かつてマーケティングキャンペーンといえば、アイディアを出して実施し、成功を祈り、失敗から学ぶというプロセスを何度も繰り返していました。しかし未来のキャンペーンは、ビッグデータの収集と分析に基づいて実施され、しかも同時に多言語で展開されるようになるでしょう。

新しい技術が古いパラダイムや従来のビジネスモデルを破壊する時に、様々な問題や抵抗が生じるのは世の常です。貿易障壁や保護主義、労働市場の懸念などは、多言語化する未来社会の姿を形作ると同時に、脅かす要因にもなるでしょう。しかし今日の技術革新が昨日のテクノロジーに支えられているように、ローカリゼーション業界も未来に向けて進化しているのです。

業界のみなさん、前を向いて進んでいきましょう!

 

1990年代半ば以降の急速な技術革新と、それが今日の翻訳管理プロセスの発展にどう影響しているかについては、  ウェブセミナーで詳しくお話ししています。下のプレゼンテーションのリンクをクリックしてください(ウェブセミナーは英語で実施されたものです)。

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 [編集メモ:この記事は、2017年2月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。エリック・ヴォイト による元の記事はこちらからご覧いただけます。] [編集: MLS] [o/o-i]

 

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