モバイルアプリのローカリゼーションで考えるべき9つのこと
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モバイルアプリのローカリゼーションで考えるべき9つのこと

モバイルアプリのローカリゼーションで考えるべき9つのこと

9 Things to Think About When Localizing Your Mobile App

まず、モバイルアプリをめぐる驚きのデータをご紹介します。

  • Apple iOSとAndroidを合わせると、スマートフォン用とタブレット用のアプリは400万本にものぼる
  • スマートフォンのユーザー数は、全世界で50億に迫ろうとしている
  • モバイルデバイスの操作のうち90%は、アプリで実行されている

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このデータを見ると、世界のアプリ市場には、途方もなく大きなチャンスがあると言えます。しかし、膨大な数のアプリのなかでヒットアプリとなるには、国や地域の事情にしっかり対応した使いやすい製品でなければなりません。誰もが、国内の開発元が作ったとしか思えない画面、操作性、サウンド、パフォーマンスを期待しているからです。

こうしたニーズに応えるには、念入りな計画に基づいて実施されるローカリゼーションが必須です。ここでは、アプリのローカリゼーションについて考慮すべき9つの点をご紹介します。 

1. コードを国際化する

ローカリゼーションは、最初の1語を訳すときから始まるわけではありません。簡単で短期間に、しかも低コストで翻訳できるように、まず、アプリ側で準備することがたくさんあります。ここで登場するのが、「国際化」です。国際化とは、基盤となるソースコードがどの言語にも対応できるようにソフトウェアを設計・構築することです。国際化されたコードは、異なる日付、通貨、数の書式、ロケール、文化的な背景、あるいはスペースの制約やエンコーディング、フォントといったUI要素に対応できます。国際化のプロセスを経て、ローカライズに対応可能なコード、つまり、多種多彩な言語、国、ロケールに対応する一連のソースファイルが出来上がります。

2. リソースを外部化する

アプリのプログラムコード以外の要素すべてをアプリ資産(またはリソース)と呼びます。テキスト、画像、チュートリアルなど、プログラムの実行コードに付随するあらゆるデータファイルもリソースです。モバイルアプリの最適なローカリゼーションを模索するなら、次の2つの項目を実施する必要があります。

  1. UI文字列をコードから抽出する。テキストコンテンツを外部ファイルとして分離することで、コード自体を変更せずに、コンテンツを調整することができます。
  2. ターゲット言語ごとにリソースファイルを用意し、言語別のファイルでテキストを翻訳する。こうすることで、ユーザーがアプリを起動したとき、ユーザーがスマートフォンのOSで設定した言語に対応するリソースファイルがロードされます。

3. ローカリゼーションを前提に設計する

アプリのレイアウトは他の言語にも対応するようにしたい、とお考えになるでしょう。言語が異なれば、必要なスペースも変わってきます。たとえば、フランス語、スペイン語、ドイツ語は、英語より最大で30%大きなスペースが必要だと言われます。このように、言語によってテキスト長が長くなったり短くなったりしても表示幅で対応できるよう、柔軟な設計を心がけてください。レイアウトを1セット用意するだけで、サポートするすべての言語に対応できること、それが目標です。

4. 文化についての考慮を怠らない

アプリの設計が文化的に中立に行われていれば、各市場に応じてそれぞれ別のアプリを開発する必要はなくなります。たとえば、昨今のアプリではアイコンや画像、色、参照情報が豊富に使用されていますね。これらがどんな文化でも同じように受け止められるものであるよう、十分に考慮しましょう。野球とクリケット、どちらのアイコンがよりアピールするかは、国によって異なります。犬の画像は、中東の文化圏では反感や困惑を買いかねません。イスラム教では伝統的な緑色も、中国では不倫の記号です。調査を重ねて、全世界のユーザーに通じる設計要素を採用しましょう。

5. ローカリゼーションの前にテストを実施する

ローカリゼーションの前にテストを実施すると、国際化に必要な機能に問題がないかをチェックできます。製品のコードがすべてグローバル対応になっているか、文字列リソースの外部化が正常に行われているかを確認するのも、この段階です。国際化プロセスの一環として、このテストを通じて、各言語で動作するよう適切な対応がなされているかを検証します。不具合を見逃したままだと、ローカリゼーションや、その後の製品サポートでもコストがかさみます。テストを実施すると、そうした不具合による問題も、この段階で発見、修正可能です。

6. 適切な翻訳者を起用する

アプリの増加に伴い、アプリのローカリゼーションを専門にする翻訳者も増えてきました。こうした翻訳者は、小さな画面に合わせたローカリゼーションに伴う制約や要件をしっかりと心得ています。コピーライティングのスキルを備えた翻訳者もいます。元の意味を変えずに制限字数内に翻訳を収めなければならない、そんなときに重宝する存在となるでしょう。皆さんの会社の製品のファンだったり、実際にアプリを使っていたりする翻訳者が見つかれば、申し分ありません。

7. 翻訳者に必要な資料をそろえる

翻訳者には必ず、適切な資料を提供しましょう。主な製品用語をまとめた用語集、これまでに承認された既訳を再利用するための翻訳メモリスタイルガイド(翻訳仕様書)などです。こうした資料によって、ブランドの意図や雰囲気を各国の言語に反映するための具体的な方法を翻訳者に指示します。

また、リソースファイルを送るときは、コンテキストの情報も提供しましょう。実際に動くアプリを渡せれば理想的です。スクリーンショットでも十分でしょう。翻訳している語句がどこに出現するかがわかれば、翻訳の精度も生産性も大きく向上します。

8. ローカリゼーションの後にもテストを実施する

リソースの翻訳が済んだら、アプリの環境に戻して、もう一度テストを実施します。この段階では、厳格なローカリゼーションテスト言語品質テストを実施し、コンテンツにもレイアウトにも問題がないことを確認します。

まず必要なのが、複数の仮想デバイスやさまざまな画面のサイズでテストできる環境です。実際の環境は、対象とする市場によって異なります。貴重なテスト時間をムダにしないように、入念に調査しましょう。

テスターは、テスト経験のあるバイリンガルが担当し、アプリを細かく検証します。何を検査するかを的確に把握できるよう、テスターにはテスト計画を提示しましょう。UIの表示上の問題、行の折り返し、テキストや文字列の改行、レイアウトの崩れ、未翻訳のままになっているテキストなどを見つけます。誤訳に気づくこともあるでしょう。そうした不具合をレポートしてもらえば、アプリを公開する前に修正できます。

テスターが、実際のデバイスを使って作業できれば理想的ですが、スクリーンショット、エミュレーター、ステージングサーバーなどを使う方法もあります。

9. アプリストア最適化(ASO)

最後に、完成したアプリの存在を世界に向かってアピールしなければなりません。アプリストア最適化(ASO)とは、アプリストアでコンテンツが目立つように対策を立てることです。SEOと同様に、各ロケールに合わせて適切な検索語を選び、コンテンツの最適化を図る必要があります。また、アプリの名前、説明文、キーワードが正しく翻訳されていれば、各国のユーザーは、アプリを探しやすくなります。

 

モバイルアプリのローカリゼーションは、単なるインターフェースの翻訳をはるかに超えた作業です。時間をとって入念に計画を練り、国際化、テスト、ASOを実行し、アプリのローカリゼーションの経験を備えたリンギストと協力することで、アプリの世界的な大ヒットも夢ではありません。


 [編集メモ:この記事は、2017年4月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。リー・デンズマー による元の記事はこちらからご覧いただけます。] [編集: MLS] [o/i/i]

 

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