ローカリゼーション vs マーケティング – 対立してる場合じゃない!
Share
Click here to close
Click here to close
Subscribe here

ローカリゼーション vs マーケティング – 対立してる場合じゃない!

ローカリゼーション vs マーケティング – 対立してる場合じゃない!

ローカリゼーション vs マーケティング – 対立してる場合じゃない!

ローカリゼーション部門とマーケティング部門が協力し合うことは、ほとんどないというのが実際のところではないでしょうか。多くの場合、それぞれの部門内で業務が完結してしまい、お互いが相手の見識を必要としていると悟られるのを極端に嫌うようなところがあります。

まるで水と油のようですが、そこには根本的な考え方の違いがあるようです。

 [Moravia日本語ブログを無料購読]

マーケティングの本質は、とにかく「注目される」こと。新しい商品や市場、競合他社、チャネルやデバイス、ファッションなど、何もかもが目まぐるしく変化していくなかで勝ち残るためには、常に「とがっている」ことが求められます。マーケターがクリエイティブで斬新なアイデアや革新的なキャンペーンに目がないのはそのためで、マーケティングの目標達成のためにも欠くことができない要素です。ただし、最先端の場で活躍しているという自負から、自分たちが生み出したキャンペーンが世界のどこでも(ターゲット市場ごとに調整するまでもなく)通用すると思ってしまいがちなのは否めません。

一方、ローカリゼーションのスペシャリストにとっては、何はなくとも「プロセス」「遂行」「再現性」です。コスト効率を実現しながら、高品質な翻訳を迅速に提供しているという矜持を持っています。整然としたプロセスやプロジェクトの評価指標にこだわりすぎるあまり、目の前にあるコンテンツが、最終的にビジネスを拡大させるという重要な役割を担っているということを見失いがちなのが玉にキズです。

両者の間にある溝は深く、それぞれが何をもって成功とするかの指標にも、それははっきりと表れています。マーケティングではクリックやリードの数、認知度、リツイート、売上などを重視するのに対し、ローカリゼーションではエラー率の低さ、スループット、プロセスの効率に着目します。まるで、お互いに理解できない言語をしゃべっているかのようです。

なぜ連携が必要なのか

皆さんが思っている以上にローカリゼーションとマーケティングの連携が必要な理由は、2つあります。

  • コンテンツでビジネスを加速する – マーケティングもローカリゼーションも、同じ「コンテンツビジネス」です。マーケティング部門が作成するコンテンツがビジネス目標の達成に貢献することは、広く受け入れられています。しかし、コンテンツのローカリゼーションが戦略的な意味を持つということは、ビジネスの意思決定者になかなか認識されないというのが現状です。マーケティング部門との連携は、そんな現状を打破する絶好のチャンスともいえます。
  • デジタルマーケティングにはグローバルエキスパートが不可欠 – グローバルマーケティングは、企業が避けて通れない関門です。もちろん、キャンペーンを翻訳するだけでよいということはありません。規模の変化に対応できる柔軟性、技術的なノウハウ、ターゲット市場に関するインサイト、そして、ターゲット市場を知り尽くしたデジタルエキスパートが必要。ローカリゼーション部門には、マーケターがその存在すら知らないようなリソース、プロセス、技術とのつながりがあるものです。

ローカリゼーションとマーケティングが背中合わせのままでは、戦略的に影響力を高めることができないまま、ビジネスは失敗に終わるでしょう。

スタートアップモデルに学ぶ

最近、国際的な拡大路線により急成長を遂げた多くのスタートアップ企業と接するなかで見えてきたのは、デジタルマーケティングのローカライズがその成長を支えているということです。こうした企業で、部門間の溝に悩まされているというところはありません。スタートアップは小規模のため、部門の壁ができようもないという意味では当然といえるでしょう。

とはいえ、大企業にもスタートアップのモデルから学べることは多くあります。

1. 木を見て森を見ずにならない

少人数のチームには、全員が目標を理解して同じ方向を向きやすいというメリットがあります。何がベストかはまだわからなかったり、誤った方法を選んだりすることもあるかもしれません(たとえば、ターゲット市場の言語で書かれたブログ記事を投稿するのが効果的なところを、翻訳したeBookを提供するという判断をしてしまう、など)。それでも、新規市場のユーザーのために、キャンペーン用のコンテンツを作成したり翻訳したりするのは大切なことだという共通認識があります。

大企業では、それぞれの業務をこなすことに集中してしまい、目標を理解しともに目指すという大切なことが抜け落ちてしまうことが少なくありません。

2. フットワークを軽く

全員で何をするべきかを決めたら、何をもって成功とするかを定義しやすくなります。売上、ダウンロード数、登録数、ブランド認知度など、目標が何であれ、行動に移したこと(eBookの翻訳など)が成果を上げていなければ、すぐに方向転換して別の手法、チャネルや媒体を試すことができます。縦割りの大企業では、「何が効果的か」とは別の何かが手かせ足かせとなり、スピーディな対応が難しくなりがちです。

3. 顔が見える距離でフィードバック

スタートアップ企業のチームは、オープンプランのオフィスで働いていることが多いようです。パーティションや壁で区切られていないオフィスでは、問題が起きてもすぐに対処できます。ポーランド語のアプリがしょっちゅうクラッシュするのであれば、開発者のところに行ってちょっとみてもらうようにお願いできます。チリでのメール開封率が他の市場と比べてあまりにも低ければ、マーケターにローカライズされたメッセージを確認してもらえます。WeChatで新機能がリリースされたら、すぐにプロダクトマネージャー、開発者、マーケターを集めて、とるべき対応についてブレインストーミングを始められます。ターゲット市場に関する情報、グローバルのメッセージング、商品に関するインサイトを、共有しやすい環境が自然とできているのです。大規模企業でこのような環境を整えることができているところは、未だに見たことがありません。

4. ローカリゼーションエキスパートと上手く付き合う

スタートアップが成長してターゲット市場をさらに広げていこうとするとき、リソース、戦略、業務、品質管理などをツールに頼らずに管理することが難しくなってきます。そんなとき、スタートアップでは進んでローカリゼーションチームと協力し、ワークフローやツール、ターゲット市場に関するインサイト(どのソーシャルネットワーク、キーワード、画像、クリエイティブを選ぶべきかなど)、言語リソースとのつながりなど、ローカリゼーションが得意とする部分でありがたく力を貸してもらいます。スタートアップのマーケターには、ローカリゼーションからのアドバイスに対するオープンな姿勢があります。繰り返しになりますが、大企業ではあまり見られない傾向です。

まとめ

グローバルでデジタルなこの時代、会社内に存在するエキスパートの力を借りない手はありません。マーケティングはローカリゼーションのこんなところを強みとして取り込みましょう。

  • キャンペーンの実施においては、デジタルローカリゼーションの問題に直面することが多く、ターゲット市場のエキスパートがいれば早い段階での対処が可能です。このことを知っておけば、グローバルキャンペーンでスピーディに成果を上げることができるでしょう。
  • ローカリゼーションのリソースやプロセスに精通した人に任せることができると、マーケターは安心して自分の本来の仕事に集中できます。中東市場向けの写真の選定で立て込んでいるときに、12言語のコンテンツの確認が7件発生する状況を想像してみれば、連携のメリットは明らかでしょう。

ローカリゼーションも、今こそ変わるときです。マーケティングとの連携で、こんなところを強化できます。

  • コンテンツ戦略を第一に考える。プロセスそのものがどれだけ優れていても、それがコンテンツの成功につながるとは限りません。戦略パートナーとして認められるには、コンテンツの成否に責任を負う必要があります。
  • ターゲット市場におけるデジタルマーケティングのエキスパートになる。ローカリゼーション担当者は、ソーシャルやアプリ、コンテキスト、ビジュアルコンテンツなどの知識は固めつつありますが、そこにデジタルマーケティングの知識が加われば、さらにコンピテンシーを高めることができるでしょう。

世界に爪あとを残したい。その思いは、ローカリゼーションもマーケティングも同じです。しかし、それぞれの専門分野にとらわれすぎていては、それ以上の成長は望めません。同じ目標に向かって連携することができたときに、初めてグローバルな成功を手に入れられるのです。

スタートアップに目を向けてみましょう。そこにはヒントが隠されています。

 

エド・ハーティガンは、Moraviaのデジタルマーケティングおよびメディアスペシャリストです。世界に影響を与えるデジタルコンテンツやマーケティング戦略についてインサイトを提供し、グローバルに展開する企業を支援しています。


[編集メモ:この記事は、2017年10月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。エド・ハーティガン による元の記事はこちらからご覧いただけます。]  [編集: MLS] [o/i]

 

Comments