2026年5月25日、RWSグループは東京のJPタワーホール&カンファレンスにてFuture Forum 2026を開催しました。本イベントは、ローカリゼーションおよび知的財産(IP)の分野におけるAI活用をテーマとした半日のプログラムで構成され、自動車、建設機械、電子機器・半導体業界のほか、法律事務所や企業の知財部門など、多岐にわたる業界から約70名のお客様にご参加いただきました。当日は、CEOによる基調講演やテーマ別のブレイクアウトセッション、また最後は懇親会を行いました。
ローカリゼーションにおけるAI導入の現状
Transformセッション(テーマ:ローカライズ)の冒頭に実施したライブアンケートでは、日本企業におけるAI活用の現状が明らかになりました。参加者全員がすでに業務の中でAIを活用していると回答し、63%が今後さらに活用範囲を拡大する予定であると答えました。
一方で、品質と精度は依然として最大の課題であり、回答者の87%が懸念事項として挙げています。AI活用を拡大したいというニーズと、技術的に複雑なコンテンツでも信頼できる品質を維持しなければならないという要件、どちらにも対応するにはどうするべきかが当日の主なテーマとなりました。
RWSのCEOであるBen Faesは、文化的インテリジェンス(Cultural Intelligence)に焦点を当てた基調講演を行い、コンテンツを解放する2026レポートをもとに、ローカリゼーションにおける企業のAI活用の現状について解説しました。特に輸出比率の高い業界では、技術文書を各言語や各国の規制に合わせて正確に伝える必要があるため、AIによる出力と実務で使用可能なコンテンツとの間のギャップが、現実的な課題となっています。

また日本チームによるセッションでは、TradosおよびLanguage Weaver Proがどのように構造化された品質管理プロセスを支援し、こうした環境における持続的なAI活用を可能にするかについてもご紹介をしました。
ゲストセッション:コベルコ建機エンジニアリング様
コベルコ建機エンジニアリングの大坂様には、技術文書のワークフローにおけるAIの評価・検証に関する取り組みについてお話いただきました。社内の期待値、管理している品質リスク、そしてAIを活用する領域と人の専門性を維持すべき領域の切り分けについての同社の取り組みについて共有をしました。
イベント後のアンケートでも、本セッションは非常に実践的であるとの評価が多く、他の参加者も同様の課題を抱えていることがわかりました。
欧州特許戦略とIPにおけるAI活用
Protectセッション(テーマ:知的財産)では、欧州特許戦略とIP業務におけるAIの役割について、実務的な観点でのセッションを行いました。
TMI総合法律事務所のパートナー弁理士である竹内様には、統一特許裁判所の最新事例のご紹介と、差止命令の迅速な判断や厳格なスケジュールについて解説いただきました。これにより、欧州における手続きでは事前準備とプロセス管理が極めて重要であることが改めて示されました。
また日本チームによるセッションでは、EPバリデーションサービスおよび海外特許出願ポータルinoviaについて紹介し、翻訳、コスト見積、進捗管理、出願手続きまでを一元化することで、プロセスを簡素化できることをご紹介しました。当日は参加の皆様にもその場で本ツールにご登録いただきました。
さらに年金管理についても取り上げ、欧州出願から初期支払いに至るまでの継続的な業務運用をどのようにサポートできるかについて説明いたしました。
RWS Protect部門のCEOであるJames Laceyからのビデオメッセージでは、AIを活用したブランド保護サービスObviouslyの買収を含む最新の取り組みについて紹介いたしました。RWSジャパンのカントリーリーダーである原からは、事前アンケートの結果をもとに、日本企業の海外出願の現状や課題について実務に即した視点で議論を行いました。

イベントの最後には懇親会を行い、業界を超えた皆様同士が意見交換を行い、AI導入の経験を共有するとともに、交流を深めました。
RWSチームにとってもお客様と直接対話する貴重な機会となり、Ben自身も日本マーケットの皆様と直接交流できる素晴らしい場となりました。
Author
Sarah Donnelly
Global Content Strategist
コピーライターとして20年以上の経験を持ち、新聞や雑誌、企業向け出版物など、幅広い分野で執筆を行ってきました。RWS入社以前は、エネルギー業界の中規模企業にてマーケティング部門の責任者を務めていました。現在は、RWSの知的財産部門におけるコンテンツを担当しています。

